◇新入生の皆さんに
大教育研究センター長 江幡 武
 東北大学に入学されておめでとうございます。梅、桜をはじめとする様々な春の花が咲き始めていますが、皆さんの希望で一杯の心境に今の季節は丁度マッチしているのではないでしょうか。

 大学では、全学教育科目と学部専門教育科目を学ぶことになります。専門教育科目が皆さんにとって重要な意味をもっていることは、言うまでもないことでしょう。では、全学教育科目を学ぶ意味はどうでしょう。全学教育科目の一つである教養教育科目を学ぶ目的は、「基礎的素養を幅広く培うことによって、専門閉塞を避け、広い視野と柔軟な思考力を養うこと」とされています。いくつかの個別の授業を聞いたからといって、そのような広い視野や柔軟な思考力が簡単に身につくものでしょうか。先生の講義や講義に関連した参考書を読むことをきっかけにして、自分で考えたり、幅広く学ぶ方法を修得することが大切だと思います。これまでの数十年に、我々を取り巻く状況は驚くほど変化しました。科学・技術の発達、それに伴う社会の変動、環境の変化は、少なくとも私の予想を大きく上回っています。恐らく、21世紀になっても、変化は続いて行くでしょう。大学で学ぶ専門知識も、このような変動の中では、そのままではすぐに陳腐なものと化してしまいます。変化に対応するためには、「生涯教育」が必要であり、学習が維持できる柔軟性を保つことが必要です。そのための一つの手掛かりとして教養教育科目が開講されているのだと思います。

 今年度からすべての1年生に情報処理教育センターのアカウント番号を配布することにしました。情報処理教育センター内の自習室及び中央図書館に置かれた端末を利用すると、全学教育に関する様々な情報を得ることができます。また、授業などで先生と連絡をしたいときにはイーメール(e-mail)を活用することもできるようになります。質問したり、話をするためのアポイントを取るのに、電話で直接先生をつかまえる必要がないので、ぜひ活用して下さい。すこしぜいたくをする余裕があれば、自宅のパソコンでセンターの掲示板をみれば、朝出掛ける前に休講を確かめることもできるはずです。

 大学生活の基本は自立だと思います。自立には、自由とそれにともなう責任が付随します。授業に出るのも、サボるのも、そしてさまざまな課外活動やアルバイトに熱中することも、すべて自分の選択の範囲にあります。とはいうものの、振り返ってみると青春時代と言うのは、悩み、迷いの時代でもありました。困ったことがあれば、先生、先輩、友人に積極的に相談しましょう。学生相談所を訪れるのもよいと思います。

 自立の一つの証として、喫煙を始める諸君が少なくないようです。喫煙は本人のみならず周囲の人々の健康をも害すると言われています。アメリカ流に、公共の場所での喫煙は制限すべきだとの強い意見も寄せられています。暖かい季節を迎えて、喫煙場所を屋外に移設することにしました。皆さんは、分煙についてどう考えますか。イーメールの練習の手始めに、大学教育研究センターにご意見を寄せてみてください。勿論、その他の話題についてでも結構です。

 おしまいに、注文を一つ。授業時間中に廊下を歩くときには、大声を控えましょう。大変授業がしにくいという苦情が寄せられています。

前ページ

次ページ