◇全学教育への提言 | ||
経済学部3年生 中島 裕幸 | ||
全学教育科目と専門教育科目とを対比させて考えたとき、専門教育科目はどうしても知識や考え方を習得することに重点をおかざるをえないと思う。経済学部は半期ごとに完結している科目が多いために、(私にとっては)短い期間に習得するためには、暗記中心となりがちである。経済の様々な分野を学ぶには仕方のないことであるが…。 そういう位置にあると考えている専門科目に対し、全学教育科目は、知的好奇心を刺激してくれる科目だと考えていた。大学受験のときは、さんざん暗記主体の勉強をし、頭が固くなっているような気がしていたから、その頭に、いろいろな分野のセンスを吹き込んで柔軟にしてくれるものと思っていた。 ところが、正直にいうと実際の授業は、つまらないものであった。教官の方々が授業されている講義は、当然御自分の専門分野であるから、どうしても専門知識が多くなり、知識主体型の授業になっていた。初学者のための授業、名前どおりの全学教育とはとても思えない講義が多かったのである。 また、授業自体だけでなく、環境的にも問題があった。大人数の履修者の割に教室がせまい。それに、特に第二外国語に言える事であるが、一年間に同一科目の開講が少ない。 と、今まで不満ばかり述べてきたが、ここで前向きに、具体的な提言を述べてみたい。 第一の提言は、最初に述べたように、全学教育科目は初学者向けと心得、その科目の特定の分野のみを教えるのは極力避け、その科目の有様を教えるようにする。できれば、NHKスペシャルのように、初めて学ぶ者にも興味を湧かせるような授業がほしい。 第二の提言は、同一講義時に、同じ名称の講義を、複数の教官により、複数の教室で開講する。学生に教官の選択権を持たせるのである。 第三の提言は、単位の評価は、複数の教官が共同で行う。つまり、レポートなり、期末試験なりを共同作業で行い、評価により客観性を持たせ、講義間の不平等をなくすのである。私もそうであったが、学生はえてして、講義を評価の甘い教官で選びがちである。この方法によれば、より面白く、分りやすいということを基準に、講義を、教官を選ぶことになるだろう。 現在、教官や講義に対する評価を行うために、学生にアンケートをとる大学もある。しかし、これはあまり客観的では無いのではないか。学生は、評価の甘い教官に高い評価をつけるだろうし、科目自体の難易が高ければ、理解しづらいので、厳しい評価になるかもしれないからである。それよりも私が提言した方法は客観性に優れていると思っている。 もちろん、大学側の事情は全く考慮せずに述べてしまったし、教官側だけではなく学生側の自覚も必要となってくるのは当然であるが、私のアイデアはどうでしょうか。 |
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