このページは、将来教員を目指そうと考えている皆さんに、本学が養成しようとする教
員像を示し、皆さんがどのように学修や研究を進めたらよいかを概説したものです。
本学の大きな目標の一つが、社会に「知」を波及させることや、社会が直面する課題の
解決に役立つような活動をすることです。特に、若い人々に「知」を波及させる活動には、
重要な意味があります。そのような活動を継続的に行うことができる方法が、学校の教員
になり、将来様々な学問分野で研究をしてみたいという生徒を育成することです。
皆さんは本学が長年培ってきた、「研究第一の伝統」や「実学尊重の精神」が醸し出す
雰囲気の中で、学修や研究に励むことになります。教員になっても、そのような雰囲気を
持ち、それを中学生や高校生に感じさせることにより、学習の喜びや、研究の意味や面白
さを伝えていくことができる教員、つまり教科指導の分野で専門性の高い教員を目指して
ほしいと思います。
教員は授業前に、教材を深く理解し、分かり易く教えるための準備をします。どのよう
な内容をどのような順番で説明するか、どのような発問をして、どのように授業を展開し
ていくか、板書や資料あるいは実験や試験の内容をどう工夫するか、授業を受ける生徒の
立場から考察していく作業です。それらは自分の専門科目を様々な角度から見つめてみる
ことでもあり、創造的でしかも興味深いものです。
このように自ら創意工夫した授業を展開し、その中で生徒が活き活きと積極的に学習に
取り組む姿を見ることは、教員としての大きな喜びです。
教科指導には課題もあります。例えば、生徒の学習意欲が低かったり、学力は高いが自
信がなかったり、ゲームに夢中になり教科の学習が疎かになったりすることなどです。こ
のような課題の根は深く、簡単には解決できません。しかし、個々の生徒を深く理解しそ
れぞれの課題を少しでも解消していけるのが、研究者のマインドを持った教科専門性の高
い教員です。
また、生徒は教科指導がしっかりできる教員を信頼し、そのような教員の話を真摯に受
け止めるものです。ですから生徒指導についても、普段の授業の質が間接的に関係してい
るといえます。
本学では専門性の高い科目を受講できるカリキュラムが用意されています。皆さんはそ
れらを修得し、教科専門性の高い教員を目指していただきたいと願っています。